3代目CX-5について思ふこと
前回の記事を書いたときは、3代目CX-5(欧州版)の情報が公開された直後で、全幅が我が家の駐車場の制限を超えることが判明し、引き気味のトーンになってしまった。あれからしばらく経って世間的にもいろいろなことが言われているので、それを踏まえて落ち着いて今思うところを書いてみようと思う。
正直、マツダの内部事情やクルマ業界の事情なんて知らないので、個人的希望や推測もごちゃまぜにして書きたいことを書く。
車両サイズについて
マツダとしては、車両サイズは競合製品とドンピシャで揃えて真っ向勝負したいのだろう。何なら競合よりもわずかに大きなサイズにして価格的な優位性を取りたいのかもしれない。
全幅で比較するとこんな感じ。
- 2代目CX-5(1845mm)
- 3代目CX-5(1860mm)
- ハリアー(1855mm)
- RAV4(1855mm〜1865mm)
- ZR-V(1840mm)
- X-Trail(1840mm)
- X1(1835mm〜1845mm)
- GLB(1835mm〜1845mm)
- 2代目CX-5(4575mm)
- 3代目CX-5(4690mm)
- ハリアー(4740mm)
- RAV4(4600mm〜4610mm)
- ZR-V(4570mm)
- X-Trail(4660mm)
- X1(4500mm)
- GLB(4640mm〜4660mm)
日本国内仕様だけ全幅を1850mm以下に抑える可能性があるかというと望み薄と考える。ちょうど1年前の2024年7月単月の生産・販売状況をみてみると、CX-5について言えば、国内販売が1826台に対して輸出は24,696台と10倍以上の開きがある。欧州向けのCX-5だけの販売台数は不明だが、割合から言えば4000台程度だろうか。それでも国内の2倍の台数が売れる市場なわけだ。何が言いたいかというと、国内市場の優先度は全体からみれば低く、欧州で売れるならそれをそのまま全世界に売りたいのだろう。バリエーションを増やせば余計なコストがかかるだけ、と自分なら考える。残念ではあるが。
インフォテインメントについて
「物理ボタンを廃止して巨大なタッチパネルに集約するとは今までと言ってることが違うじゃん」みたいな記事をチラホラ見かけるが、これはまだ評価するのは早いと考える。
紹介動画でも新世代価値としてHMIが一番最初に挙げられており、単に「タッチパネルをデカくしました」なんてことを意味しているのだとしたら世の中の総スカンを喰らうだろう。物理ボタンにもタッチパネルにも頼らずクルマとして最適なインターフェースを備えることができる自信があるからパネルを巨大化するという選択を取った、ということなのだろう。(これマツダへのプレッシャーね)
パッと思いつくのが音声認識による制御であり、ステアリングスイッチの高機能化である。現状、我々は他に適切な手段がないからやむを得ず物理ボタンやタッチパネルを使っているだけで、物理ボタンが好きで使いたいわけではないのだ。何も操作しなくても目的が達成できるのであればそれに越したことはない。究極のインターフェースはインターフェースがないことだ。と、HMI設計者には認識してもらいたい。当然、専門家だろうから言われなくてもわかっていると思うけど。
パワートレインについて
「ディーゼル廃止、とりあえずマイルドハイブリッド一択、時間をあけてストロングハイブリッドを出す。」パワートレインの開発に時間がかかるの理解するが、かなり強気というか、危なっかしい戦略に思える。新型の発表を1年なり遅らせて「待ち」の体感時間を短くすることもできたのではないかと思うが、なぜこのタイミングの発表だったのだろうか。株価を下げないためだろうか。とりあえず、欧州で戦う分には競合はストロングハイブリッドを持たないドイツ勢なので、2年程度であれば十分対抗できるという判断なのだろうか。個人的には全方位をトヨタに囲まれていて、よっぽどの商品力がなければ太刀打ちできないように思う。まぁ、それは今でも変わらないか。
価格について
車格的にCX-60を超えられない立ち位置のCX-5だが、いかんせんCX-60の価格が定価で500万円を切る領域なので、価格を上げられず辛いのではないかと思う。CX-60の販売戦略はいろいろ失敗していると言われているが、この失敗が他車種にも影響しているのではと心配である。1年くらい前からしれっと2〜3割値上げしておいてCX-5の価格をそれよりちょっと低く設定して今までよりちょっと値上がったけど他に比べたら安いでしょ!って言い切れる下地を作っておけばよかったに。どこかのスバルみたいに。
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