マツコネ・レトロフィットキット導入しました

先日の記事でも書きましたが、ようやくマツダコネクト(通称マツコネ)のレトロフィットキットを装着しました。これでようやくAndroid Auto(私はAndroidユーザです)が利用できるようになりました。



結論から書くと、これは必須の装備です。マツコネ単体で不満だった箇所がすべて解決されています。しかも、ナビ/オーディオ操作時の安全性はより高められたうえで、必要十分な機能が極めて合理的かつクールなUIで実現されています。これで4万円程度なら安いものでしょう。なんでもっと早く装着しなかったんだろうといまさらながら後悔しています。ということで、今回はAndroid Autoの使用感をメモしていきます。

クルマ側からオーディオの操作が完結する

以前、Bluetoothオーディオの操作がクルマ側から完結しない点について書きましたが、これが完全解決しています。Android Autoはスマホの画面を車載のディスプレイ上に投影し、車載のコマンダースイッチで直接操作する仕組みになっています。このため、Bluetoothオーディオの制約に縛られることなく、音楽アプリの機能をフルに(運転時に使いやすいような画面レイアウトになります)使うことができます。私はSpotifyを使っているのですが、アルバムやアーティスト、プレイリストの切り替えなど、スマホの画面を操作することなく必要な機能にアクセスできます。USBケーブルでスマホを接続するだけなので、運転中であっても視線をそらすことなく接続が可能です。

ナビの地図が自動拡大する

これもマツコネのナビで不満だった点です。マツコネのナビには次の案内地と現在地がちょうど画面内に収まるよう地図の縮尺を自動的に制御する機能はありません。一方、Google Mapsにはこの機能があるので、よっぽどピンポイントで拡大して確認したい場合でない限り、基本的に手動で地図の縮尺を変える必要がありません。これにより運転中にナビを操作する場面が激減するため、安全性が向上します。

同乗者のスマホのナビと同じ経路が見える

マツコネのナビと比較してGoogle Mapsの地図情報は圧倒的に緻密です。しかしながら、そんな小難しい話ではなく、同乗者の手元にあるスマホのナビと同じ経路が見えるようになったことが重要な点です。

Android Auto導入前は、マツコネのナビで経路案内をしているにも関わらず、同乗者がスマホのナビで経路探索をして、それを口頭で伝えてくるということが常態化していました。同乗者がマツコネを信頼していなかったんでしょうね。画面の見えないナビの情報を口頭で伝えられる状況というのは、目隠しして運転しているかのごとく極めてストレスフルかつ危険です。こちらのストレスが相手にも伝わるのか、しまいには「そのへんの適当な交差点で曲がっても曲がらなくてもどっちでもいい」というおよそありえないなげやりな指示が飛んでくるようになります。さすがにこの状況になると事故の可能性が高くなるので、無視してマツコネのナビに従うのですが、それはそれで同乗者は気に食わないようです。Android Autoを導入することにより、ドライバー(私)と同乗者が同じ経路情報を同じ画面上で共有でき、同じ基準で会話ができるようになりました。今のところ以前のようなストレスフルな状況にはなっていません。

音声認識が使い物になる

Google Mapsには音声認識で目的地を検索する機能(今どきのスマホだと当たり前過ぎる機能ですが)があり、まともに使えます。もちろん、マツコネにも音声コマンドでナビを操作する機能はありますが、目的地名を音声で入力する機能はありません。認識処理をバックエンドで行えるスマホに対して、クルマ単体で処理を行わざるを得ないマツコネとの差は歴然です。

Google MapsナビのUIが秀逸

Google MapsナビのUIは一般的なナビゲーションシステム専用機(マツコネやカロッツェリアのサイバーナビや楽ナビなど)と比較してシンプルです。例えば、高速道路走行中に経路上のICやSA/PAへの到着予想時刻などの表示はありません。他にも経路上の信号機表示がなかったり、交差点の立体表示機能なんかもありません。しかしながら、経路や地図の確認という目的に限って言えば必要な機能は備わっているため特に支障はありません。加えて、普段使用しているスマホの検索履歴がそのまま目的地候補として利用できるので、車に乗ってから目的地を改めて検索しなくてはいけない場面がほとんどありません。また、他人と位置情報を共有できるため、迎えに行くときに待ち合わせ場所の調整が簡単にできます。渋滞を考慮した経路情報を表示してくれる機能も地味に使い勝手が良いです(今どきの一般的なナビゲーションシステムには普通についてくる機能かと思いますが、マツコネにはない機能)。これまで利用してきたNaviConも不要になったのでアンインストールしました。

Google Mapsのナビを使い始めて感じたのは、一般的なナビゲーションには通常使わない無駄な機能がたくさんあって、それがユーザビリティを阻害している点です。安全な運転のためにはいたずらに機能を増やすのではなく、必要十分な機能になるよう適切に制限することが重要だと感じます。


一方、改善して欲しい箇所もあります。

アクティブドライビングディスプレイに経路情報が表示されない

マツコネナビで経路検索を行うと、ドライビングディスプレイ(フロントガラス照射型)に経路案内が表示されますが、Google Mapsのナビを利用した場合は表示されません。ほんの少し目線を移動させる手間が増えるのが残念な点です。

県境を超えた際のアナウンスがない

マツコネナビでは移動中に県境を超えると、新しく入った県を象徴する画像を表示するとともに「***県に入りました」とアナウンスがあります。Google Mapsではこの機能がありません。水曜どうでしょう好きとしては越境は毎回重要なイベントなのですが、これを味わうことができないのが数少ない残念な点です。一般の人にはどうでもいい話だとは思いますが。

時刻の文字サイズが小さい

Android Autoの画面では左上に時刻表示がありますが、この文字サイズが小さめです。CX-5には他に時計がないので、この時刻表示が唯一なので、もう少しサイズが大きい方が見やすいかもしれません。

ミュート時に音楽再生が一時停止されない

最近のマツコネではミュート時に音楽再生が一時停止する機能が追加されました。レトロフィットキットとAndroid Autoの組み合わせではこの機能はまだ実現されていません。

(2020年8月9日追記)
Android Auto使用中は電池の消費が充電に追いつかない

Android Autoを利用する際に接続するポートは急速充電(2.1A)に対応しているはずですが、Android Autoを起動していると、充電量よりも消費電力の方が大きいせいか、電池残量が減っていきます。これは私のスマホがSO-02H(発売日2015年11月)というかなり年代物の機種のせいかもしれません。SO-02K(発売日2017年11月)を使っている家族はこの不満を訴えていないので、案外最近の機種であれば改善しているのかも。とはいえ、急速に減っていくわけではないので、長時間運転するのでなければ、実用上は問題になることはありません。気になるようであれば、一時的にAndroid Autoを停止(マツコネナビを利用)すれば、すぐに充電できます。

(2020年8月9日追記)
Android Autoの起動までに時間がかかる

これもSO-02H(発売日2015年11月)での話ですが、クルマにスマホを接続後、Google Mapsナビが表示されるまでにそれなりの時間がかかります。ちゃんと時間を測ったわけではありませんが、1〜2分くらいはかかる印象です。特にスマホ側でゲームなど重たいアプリを起動していた場合には明らかに遅くなります。恐らく、バックグラウンド化した他のアプリがkillされるのにある程度時間がかかるのでしょう。一方、SO-02K(発売日2017年11月)を利用している家族からはこの手の不満は聞かないので、古い機種固有の問題か、私個人のスマホの利用状況固有の問題かもしれません。こんな感じで、接続するスマホ側の状況によっても多少使い勝手が変わってくるのは、ナビ専用機と違ってやむを得ないことかもしれません。

(2020年11月9日追記)
結局スマホの性能次第でした

その後、スマホをSO-51Aに機種変更したところ、8月9日に追記した「充電が追いつかない」と「起動までに時間がかかる」件はいずれも解消しました。ということで、これらはAndroid Autoのネガではなく、純粋にスマホの問題であることが確認できました。いやー、快適です。


まとめ

ということで、まとめると細かなところで改善要望はあるものの、Android Autoの使いやすさはマツコネナビとは比べ物にならないくらい良いです。ネットワークが繋がらなくて地図データが取得できないとか、特殊な状況でない限りマツコネナビを使うことはないと思います。

コメント