MRCCの使い勝手ってどうなの?

前回はCX-5の2種類のクルーズコントロール機能(クルーズコントロール、MRCC)を紹介しました。クルーズコントロールを使う場面は永久に来ないと思うので、今回はMRCCの使い勝手に絞って少し書いてみます。



MRCCとは

MRCC(マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール)とは、一般的にはアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)と呼ばれる機能で、ミリ波レーダーにより先行車との速度差や車間距離を認識し、自動で走行速度をコントロールしてくれます。

MRCCの使い勝手

MRCCは自動車専用道路などでの利用を想定したシステムです。操作説明書には、たとえ高速道路であっても「交通量が多く車間距離が十分に取れない道路や頻繁に加減速を繰り返すような道路では使用禁止」と記載されています。また、「凍結路や積雪路、長い下り坂や急勾配などでの使用も禁止」されています。

その前提の上で、一般道や交通量の多い高速道路などでの使い勝手も含め試してみました。

空いている高速道路

まず、車間距離を100m以上あけることのできる2車線の高速道路で試してみました。特に危なげなく、MRCCは完全に期待通りの動作をしてくれました。右足を一切動かすことなく長時間走行できたのは肉体的に非常に楽に感じました。運転が暇になるくらい。

交通量の多い高速道路

次に、渋滞が発生する寸前の首都高速で試してみました。首都高速は、左右から合流や分岐が次々に現れる難易度の高い道路の一つです。さらに渋滞が発生する寸前の交通量だと、普通に運転していてもかなり神経をすり減らします。そんな状況でMRCCを使ってみた感想は次のとおりです。
  • 前方に割り込まれた時の減速制御や、前方のクルマが隣の車線に移動した際の加速制御については特に問題なし
  • 追従性能が高いので、自分で運転しているよりも前方に割り込まれにくい
    • 逆に自分の前方に割り込ませてあげたいときも、空気を読まず車間距離を詰めてしまうので注意が必要
  • 自分が車線移動する際は、一時的に前方車両がいなくなるため、意図せず加速してしまう点には注意が必要

こちらが車線を移動しない限りにおいてはMRCCの使い勝手はとても良好でした。ただし、車間距離が短く瞬時の判断を求められる状況だったので、常にブレーキやアクセルを踏めるようスタンバイしておく必要があり、緊張感としては普通に運転しているのとそれほど変わりません。また、前方車両がいなくなることにより意図せず加速しないよう、MRCCの無効化と再有効化がちょっと煩雑に感じました(実際の操作としてはブレーキを踏む、RESスイッチを押すといった操作)。こういった状況の場合でも、MRCCを利用することでアクセル操作は減りますが、精神的な負担軽減という意味では普通に運転するのとそれほど大きな差はありませんでした。

信号のある街中の一般道

最後に、比較的交通量の多い街中の一般道で試してみました。速度が低い分、首都高よりは緊張感少なく利用できますが、問題となるのは渋滞中の交差点侵入です。放っておくと前方車両に追従するので、ちゃんと意識しないと渋滞中の交差点に突っ込んで停車してしまいそうになります。MRCCを利用しない場合は、前方の渋滞具合に合わせて、停車するか追従するかの2択でしたが、そこにMRCCに任せるかどうかの判断が加わるため、どうしても判断が遅れがちになります。あとは、赤信号でこちらが先頭車両になった場合に、MRCCを一時的に無効化する必要がある点については、交通量の多い高速道路で車線変更する際に感じたのと同じ煩雑さがありました。

まとめ

操作説明書にMRCCは「道路状況に合わせた走行はできません」と記載されているのですが、まさにその通りで、ドライバーの肉体的な疲労を軽減するのには非常に効果がありますが、ドライバーが神経を使う場面そのものを減らしてくれるものではないことが実感できました。とは言え、一般道の交差点や高速道路の合流での利用を避ければ、かなり便利な機能なことは間違いないと思います。

個人的には運転するのは好きなので、システムに任せるのは気分転換したいときくらいかなって気はしますが。

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