レヴォーグ、CX-5、エクストレイルを試乗比較、そして決定

前回の記事では、以下の3車種(グレード)に候補を絞り込みました。
  1. マツダ CX-5 25S PROACTIVE 4WD
  2. 日産 エクストレイル 20Xi 4WD
  3. スバル レヴォーグ 1.6GT EyeSight
今回は各候補車を試乗した時の印象をまとめます。試乗は各車2回ずつ行いました。

1回目の試乗

残念ながら、希望のグレードがディーラーに用意されているわけではなく、実際試乗できたのは以下のグレードでした。
  1. マツダ CX-5 25S PROACTIVE 2WD
  2. 日産 エクストレイル 20X 2WD
  3. スバル レヴォーグ 1.6GT-S EyeSight

マツダ CX-5 25S PROACTIVE 2WD

Mazda CX-5 IMG 0316
※写真はイメージです

CX-5はマツダの年間販売台数の約4分の1を占める基幹車種で、現行モデルは2016年にフルモデルチェンジした二代目(KF系)です。初代CX-5(KE系)が発売された2012年当時から外装のデザインには強烈な印象を持っており、いつかは乗ってみたいクルマと思っていました。
試乗時の印象は次のとおりです。
  • アクセルを踏み込んだ際のエンジン音やロードノイズが小さく、車内がとても静か
  • アイドリングストップでエンジン停止・始動する際の衝撃が大きい
  • アクティブ・ドライビング・ディスプレイは視線移動が少なくて超快適
  • 後部座席に装備されているUSB端子が便利そう
なんの準備もなく、フラッと試乗に行ったので確認ポイントも整理できておらず、しかも試乗に付き合ってくれた営業さんが無口でこちらから質問しない限り説明は皆無だったので、いろいろな機能確認を忘れてしまったのは失敗でした。乗った時の印象はとにかく静かで、アクセルを踏んだ分だけロードノイズとエンジン音の形でフィードバックがあったレガシィさんとは感触がまるで異なりました。これについては、その後、CX-5に対する静粛性に対するこだわりについての記事を読んで納得しました。あとは、アクティブ・ドライビング・ディスプレイが非常に快適で、この機能があるだけで他2車種に大きな差をつけている、と個人的には感じました。

日産 エクストレイル 20X 2WD

Nissan X-TRAIL 20X 2WD (DBA-T32) front
※写真はイメージです

次に試乗したエクストレイルは、より本格SUV志向の強い車種で、現行モデルは2013年にフルモデルチェンジした三代目(T32型)です。友人が同モデルに乗っていたこともあり、標準装備の防水シートは雪山での使用に非常に使い勝手が良さそうだと感じていました。
試乗時の印象は次のとおりです。
  • 視点が高くて気持ち良い
  • エンジン音、ロードノイズはそれなりに聞こえる
  • ギアチェンジのないCVTが不思議な感覚
  • 下道の試乗ではクルーズコントロールの良さはわからない
  • インテリジェントルームミラーが見づらい
  • 装備されているUSB端子はセンターコンソールボックス内のみなのが残念
  • アイドリングストップのエンジン停止・始動はとてもスムーズ
前回のCX-5試乗での反省を活かして、営業さんにはプロパイロットを試したい旨はじめからお願いしておきました。プロパイロットについては、試乗コースが下道だったので、試すことができたのはクルーズコントロールのみ(ステアリング制御は高速道路での使用が前提なので確認不可とのこと)でした。クルーズコントロールにはわりと大きな期待を持っていたのですが、特に前方車両が交差点で曲がるなどしていなくなった後に予想外の加速をしてしまう場面があったため、下道で走った限りでは便利とは思えませんでした。また、インテリジェントルームミラーは話を聞く限り便利そうでしたが、実際に試してみると、通常のバックミラーよりも映像が大きく映って距離感がつかめずかえって怖かったです。全体的に先進装備は期待ハズレでしたが、クルマ自体の走ってる感、アクセルを踏んだ時の加速感の印象は期待通りで良かったです。

スバル レヴォーグ 1.6GT-S EyeSight

Subaru LEVORG 1.6GT EyeSight (VM4) front
※写真はイメージです

最後に試乗したレヴォーグは、レガシィツーリングワゴンの正統後継車とも言えるモデルです。現行車は2014年に発売されたもので、発売以来毎年のように改良され続けています。レガシィさんの後継車ということもあり、次に乗ってみたいクルマ候補筆頭に挙げていました。
試乗時の印象は次のとおりです。
  • なにもかもがレガシィさんと似ていて初めての乗車でも違和感なし
  • 数値以上にパワーがあり、加速がキモチイイ
  • プリクラッシュブレーキの安心感が素晴らしい
  • CVTなのにパドルシフトが付いててさすがスバル車
  • アイドリングストップのエンジン停止・始動はとてもスムーズ
いろいろな意味でレガシィさんと似ていて、スポーツカー寄りの加速感や低い車高からくる安定感など、乗っていてとにかく気持ちのいいクルマでした。残念ながらディーラーの方針で、下道でクルーズコントロールを試すことはできませんでしたが、プリクラッシュブレーキだけは試させてもらい、本気で使い物になる感触は得られました。

1回目の試乗後の検討

3車の試乗を終えた時点で、個人的にはレヴォーグかCX-5推し、家族はエクストレイル推し&レヴォーグ却下という結果になりました。残念ながらレヴォーグはレガシィさんとの差異が少ないことから新鮮味がないのが大きなハンデとなりました。こうして家族内で意見が真っ二つに割れ、大きな決め手に欠けたため調整に難航することになります。
その後、レヴォーグが新鮮味に欠けるという点については同意だったため、CX-5とエクストレイルに絞って検討することになりました。早々にレヴォーグを候補から外すのはとても残念でしたが、検討を前に進めていく上でやむを得ない状況でした。2車種に絞られても決め手に欠ける状況が続く中、JNCAPの予防安全性能アセスメントで公開されている評価結果を発見。これが判断に大きな影響を与えることになりました。
予防安全性能といえばスバルが国産車でトップかと思っていましたが、マツダの方が評価が高いんですね。ここで公開されている動画をご覧いただくとその差が非常にわかりやすく、エクストレイル派だった家族の意見を最終的には大きく揺さぶることになります。

2回目の試乗、そしてCX-5に決定

1回目の試乗はあまりにも準備が足りず、まともな確認ができていたとは思えなかったので、2回目の試乗をすることになりました。また、1回目は私が運転していましたが、2回目は嫁さんに運転してもらいました。嫁さんは1回目の試乗でCX-5のアイドリングストップ時の衝撃の大きさが気になっていたようですが、2回目では特に気になることはなかったようで、これでCX-5に対する大きな懸念点がなくなります。一方、エクストレイルは車内のUSB端子が1箇所しかなく、オプションでも増やすことはできないことが確認できたため、この点がネックとして残りました。ディーラーでの値引き交渉の結果、両車とも価格はほぼ同じだったので、最終的には、JNCAPの評価結果が決定打となり、CX-5を購入することに決めました。

所感

今回、各車2回の試乗をしたわけですが、試乗で確認できるのは本当にごく一部です。安全装備の性能なんて本当に事故が起こるような状況でなければその真価を確認することはできませんし、クルーズコントロールなどは確認を断られることもあります。そういった意味で、クルマを公平に比較するのは非常に難しいと言えるでしょう。こういった点については、いろいろな人や公的機関のレビューなどを参考にするしかなさそうです。

また、最初に試乗したCX-5の印象は当初あまり良いものではありませんでした。理由としては、次のようなものが考えられます。
  • 12年ぶりの新車ということで昔のクルマとはいろいろ違いすぎて最初は感覚がついていけてなかった
  • 期待が大きすぎた
  • 事前に確認ポイントを整理せずに漫然と試乗した
買うつもりがなくても、ディーラーとはうまく付き合って、時々試乗させてもらったり、新しいモデルの現物を見せてもらったりして感覚をつかんでおくというのも大切なことだなと反省しました。

ところで、たいていの営業さんは、今契約してくれたら特別な値引きがあるような話をチラつかせてくると思います。一説には、決算時期やボーナス時期には値引き幅が大きくなるとかいう話があるようですが、最近のスバルやマツダのように、年次で細かい改良をどんどん入れてくるメーカーの場合、値引き幅の大きいと思われる時期を待っている間に改良が入って状況が変化していくので、値引きのタイミングはあまり気にせず(とにかく値下げが重要ってことであれば話は別ですが)、
  • 過去の改良頻度がどの程度だったのか
  • 前回の改良がいつだったのか
といった情報をチェックして、改良のタイミングが近そうならそれを待つのも選択肢としてはアリかな、と思いました。値引きについては、本当に欲しいと思えばその時になんとかなるでしょう。


検討する中で、今回候補に挙げた3種のモデルチェンジのタイミングを調べてみたので、次回の記事ではそのあたりについて書いてみようと思います。


コメント