Honda e試乗記〜静的評価編〜

今回はHonda EveryGoで借りたHonda eの試乗記です。BEV(いわゆる狭義の電気自動車)に乗るのは初体験ということで、いろいろと新しい発見がありました。今回は静的評価編です。

このクルマの印象を端的に表すと、短距離型のスポーツカーです。スタイルが可愛らしいので、一見パワーのないゆるふわ系モデルかと思いきや、爆発的な加速力を持つあたり侮れません。


スペック

元々Honda eはグレードが2つありますが、EveryGoには上位グレードのAdvanceが配備されています。

  • グレード:Honda e Advance
  • WLTCモード一充電走行距離:259km
  • JC08モード一充電走行距離:274km
  • バッテリー容量:35.5kWh
  • 最高出力:113kW (154PS) / 3,497 - 10,000rpm
  • 最大トルク:315 N・m (32.1 kgf・m) / 0-2000rpm
  • 駆動方式:RR
  • 車両重量:1540kg
一番気になるのは、一充電走行距離の短さです。今回は池袋から筑波山まで往復約200kmのドライブでした。満充電すれば往復できるじゃん、と思っていたのですが、世界はそんなに甘くない。このあたりは別記事で書きます。
他に気になるのは、極太のトルクが始動と同時に出る点と、ほぼ同サイズのクルマ(ヤリスのガソリン車)と比較して約1.5倍程度の車両重量です。

エクステリア

N-ONEN-WGNを彷彿とさせる丸目のヘッドライトが印象的です。余計な装飾を廃し、シンプルな丸と直線で構成されたデザインが潔さを感じさせます。ドアハンドルはボディ面とフラットになるようになっており、ドアを開けるときは前側を押し込むことで後ろ側が飛び出す仕組みになっています。


給電口はボンネット上に配置されており、ホンダのエンブレム横についている小さくて黒いボタンを押すと開きます。充電ポートは、左が急速充電用、右が普通充電用の2つあります。

蓋が開いている左側が急速充電ポート。普通充電用より径が少し大きい

ボンネットを開けると中身はわりとぎっしり。モーターはリアについており、バッテリーは床下にあるので、ボンネット内は全部補機なんですよね。これじゃレンジエクステンダー用にエンジンを追加搭載するなんて無理くさい雰囲気です。


そういえば、他に外装の写真を取り忘れました。写真は公式サイトを見てください。

インテリア

全体的に内装の色使いがオシャレです。木目調のアクセントと濃淡2色のグレーでまとめられています。目を引くのはフラットで横長の液晶画面3つの両サイドにサイドカメラのモニターと、合計5つの「画面」が並んでいる部分。かなり未来チック。

シフトはレバーではなく、ボタンが並んでいます。全部のボタンの形状が異なるので、慣れれば目視確認なしで操作はできそうですが、初見では無理でした。あと、ワンペダル操作への切り替えスイッチもあります。走行モードの切り替えスイッチや、パーキンブレーキ、オートホールド機能は最近よく見かけるものと同じです。

アームレストがないのは、コンパクトカーなのでしょうがないとは思いますが、正直欲しかった。


液晶パネルはアプリケーションを2つ同時表示できます。片方をAndroid Auto、もう片方を標準のカーナビを起動して同時にナビさせることもできます(そんな必要性はありませんが)。ちなみに、助手席側画面の操作ボタンは遠くて運転席からは手が届きません。運転中に操作するなってことなんだと思いますが、一人で運転してて操作したくなったらどうするんだろう。


サイドカメラのモニターですが、個人的には普通の光学式ミラーの方が良いと思いました。致命的なのが、右側モニターの位置。ハンドルに置いた手でモニターの半分くらいが隠れてしまい、一番確認したい自車のボディが見えません。車線変更する度にハンドルから手を離すか、モニターを確認するために顔を少しずらさなくてはいけません。安全設計がなっていないと思いました。

駐車場にクルマを止めて横を通り過ぎるクルマをサイドカメラで写してみたが見にくい

運転席正面の画面はこんな感じ。みるみる減っていく「電池残量」ばかり気になりました。左側に表示される「平均電費」はどれくらいの値だと良いのかピンと来ず。そういえば、ドアを開けて車内に乗り込むと、始動ボタンを押さなくても自動的に電源がONになっていました。アクセルを踏めばすぐに走り出せます。これも未来チックでした。ある意味ちょっと怖いですが。


床下にバッテリーが敷き詰められているせいかサイドシルと床面がフラットです。つまり、通常の車と比べて床面が高い。運転席に座っている分には気になりませんでしたが、後部座席に座ると、座面が低いのが気になりました。長時間乗るクルマではなさそう。ただ、前後方向のスペースはそれなりに確保されており、後部座席に座ってもシートに膝が当たったり、身長175cmでも頭が天井に当たったりすることはありませんでした。

サイドシルと床面がフラット。床下にバッテリーが敷き詰められてそう

車両サイズを考えればラゲッジスペースが小さいのはやむを得ないのですが、ただでさえ高い床板を上げてみると、充電ケーブルが入っていました。その下はたぶんモーターが入っているので、スペース的はこれが限界のようです。

お掃除用具一式が格納されています

一旦まとめ

インテリア、エクステリアともに新しい要素が満載です。細かいところでもう少し改善しても良さそうなところはありますが、全体的に許容範囲かと思います。記事は「充電・動的評価編」に続きます。

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