車内掲示文章の改善提案

先日、バスに乗っていたところ、写真のような車内掲示を見つけました。この内容が気になってしょうがないのでメモします。一応、クルマ関係のネタということで。


まずは全文をそのまま書き写します。

サーフボード・スキー・スノーボードの車内持込みについて

車内持込みは原則として禁止されておりますが、下記の事項を遵守される場合にかぎり、持込みを認めることとします。

  1. ほかのお客様に迷惑をかけないよう配慮してください。
  2. ラッシュ時及び、乗務員が混雑すると予想した場合は、おことわりいたします。
  3. サーフボード・スキー・スノーボード類には、すべてカバーをかけ、だきかかえる形で持込んでください。
  4. 車内では事故防止のため、つり革、手すり等につかまってください。(スキーは先端を下にして、だきかかえてください。)
  5. これらの持込みの原因により、他のお客様に怪我ならびに車両破損等があった場合は、持込み者の責任となります。

思いつくままに書き連ねた印象でとても気持ち悪い内容です。以下、気になった点を列挙します。

  • 見出しが「〜について」と漠然としていて、中身まで読まないと文意が汲み取れない
  • 「下記」は記書きとセットで使うものなので今回はふさわしくない
  • 遵守すべき事項が列挙されるのかと思いきや、実際には「〜してください」とお願いの文章になっていてわけがわからない
  • 同じことが繰り返され整理されていない

これをもとに自分なりの修正案を作ってみました。

サーフボード・スキー・スノーボードの車内持込み時の注意事項

以下の事項すべてに同意できる場合に限り、車内持込みを認めます(原則禁止です)。

  1. ほかのお客様に迷惑をかけない
  2. 持込み物にはカバーをかけ、車内ではだきかかえる
  3. スキーの先端を下にする
  4. 事故防止のため、車内ではつり革、手すり等につかまる
  5. 他のお客様に怪我をさせた、車両を破損した等の場合は、持込み者が責任を負う

ただし、ラッシュ時など乗務員の判断によりおことわりする場合がございます。

多少は整理できてわかりやすくなったのではないでしょうか(あくまでも一例なので、他にもいろいろな観点で改善できるかとは思いますが)。仕事柄、文章のレビューをすることが多いのですが、慣れていないうちはこういうツッコミどころの多い文章を書いてしまいがちです。公開する文章はちゃんとレビューした方が良いと思います。以下のような書籍を読んでみるとだいぶ改善できるはずなので、ぜひ試してみることをお勧めします。

ところで、個人的には「スキーの先端を下にする」には反対です。理由は以下の通りです。

  • スキーの先端は柔らかく安定しておらず、板を支えるのには心もとない
  • 重いビンディングが板の後ろ側についているので先端を上にした方がより安定する
  • カバーをかけることを条件としているので先端が特別危険なわけではない
  • 最近はツインチップ(前後とも反り上がっている形状)のスキー板もあり対策としては不十分
  • 混雑を理由に持込み拒否するなら、空いている前提で床に寝かせるのがより安全(寝かせられないほど混雑しているなら拒否すればいい)
ちなみに、この掲示の横に以下のような掲示もありました。同じパターンですが、内容に矛盾があるわ、それぞれの項目の依存関係が曖昧だわ、よりツッコミどころが多い内容です。これは文章以前にルールを整理した方が良さそうです。




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