カーシェアサービス「カレコ」でクルマを借りてみた

先日、カーシェアリングサービス「カレコ」でマツダ・ロードスターを借りて240kmちょっと走行してきました。クルマ自体の感想は別の機会に譲ることにして、今回はカレコについて感じたことをメモしてみます。  



カレコとは

三井不動産リアルティが運営するカーシェアリングサービスです。登録、予約、返却がスマホやWebサイトで完結しており、クルマの利用開始と返却は「ステーション」と呼ばれる駐車場で行います。実店舗はなく、基本的にセルフサービスです。

利用登録

カレコを利用するには、はじめに利用登録(Webサイト上では個人入会)する必要があります。登録に必要なものは、以下の3つ。
  • 免許証裏表を撮影した画像
  • クレジットカード
  • ケータイ
審査を行う関係上か、即時登録はできず完了まで1日かかりました。登録完了のメールが届いたら利用が可能になります。スマホにカレコのアプリをインストールして、ログインしたら準備完了です。「今現在、アプリは遅いかもしれないからWebサイトを利用してほしい」みたいなメッセージが出てきましたが、特に問題なく利用できました。サイトやアプリで迷うことはなくシンプルで使い勝手はよかったです。同乗者も運転する予定があるなら、ドライバーを追加しておけばいいみたいです(追加できるのは親族や家族に限られるみたいですが)。今回はドライバーは私一人だったので登録はしませんでした。

予約

続いて、利用日時とクルマを選んで予約を行います。今回は乗りたいクルマがいくつかあったので、「クルマから探す」から絞り込んで行きました。関東だと、ロードスターを借りられるのは、渋谷、新宿、豊洲の3箇所。選択肢は多いとは言えませんが、車種を絞り込んでしまうとある程度しょうがないのかもしれません。残念ながら一番乗りたかったボルボV60は渋谷に1台しかなく、今回はタイミングが合わず断念しました。予約が完了したら車種別のマニュアルを軽く読んで、キーボックス(クルマのキーはクルマの中に置いてある)の位置を把握しておきます。

ちなみに、クルマを選ばなければ、ステーションは都心部(東京、埼玉、神奈川、千葉の比較的にぎやかなエリア)にたくさんあります。

保険

保険の内容は以下の通りです。
  • 対人:1名限度額 無制限
  • 対物:1事故限度額 無制限(免責0万円)
  • 車両:1事故限度額 時価額(免責0万円)
  • 人身傷害:1名につき上限6000万円
特に対物と人身傷害あたりが、よくある某大手のレンタカー屋と比較してもかなり手厚い内容になっています。この他に、ノンオペレーションチャージなどはありますが、追加料金を支払ってトラブルあんしんサポートに入ればいろいろ免除されます。このあたりは一般的なレンタカーサービスと遜色ないものかと思います。

利用開始

今回予約したロードスターは新宿サブナード駐車場にあります。正直、ステーションまで行くのが面倒ですが、配備台数の少ないクルマを指定してしまった関係上やむを得ないところです。予約完了メールに記載されていた説明の通り、新宿東口ドン・キホーテ前の階段を降りるとクルマがありました(と言いつつ、駐車場が広くてクルマを探すのに少し迷いましたが)。

スマホアプリを起動して、「利用開始」ボタンを押すとクルマのロックが解除されます。ドアを開けるとクルマの中にキーが置いてあるので取り外すとクルマを動かせるようになります(キーを取り外すと利用開始とみなされる?)。基本的な車両のチェック(キズとかメーター類とか)を行って出発です。と、その前に忘れがちなのが、車の前に置いてあったスタンドサイン(緑色の三角コーンみたいなやつ)を駐車場所に戻すこと。みんなこれを忘れるのか、クルマを動かした直後に駐車場のおじさんが様子を見るために事務所から顔をのぞかせていました。そのへんは抜かりなく、スタンドサインを戻したらおじさんは引っ込んでいきました。


給油

あとは普通に走るだけなのですが、カレコでは給油は車載のカードで行います。よくある満タン返しではなく、半分以上減っていたら給油してもらえたら嬉しいな、ぐらいの雰囲気です。20リットル以上かつ満タン給油するとちょっとしたクーポンがもらえるので悪くないだろう、みたいな感じでしょうか。利用できるスタンドはエネオス、昭和シェル、コスモ石油ということで、日本国内ほぼどこでも給油できると思って問題ないかと思います。

給油と同じカードで洗車も行えるのですが、さすがに幌車のロードスターを機械式の洗車機にかけていいのか判断できなかったので、今回はやめておきました。ちなみに、後で調べたらこんな記事が見つかりました。自分のクルマでも幌車を洗車機に突っ込むのは怖くて無理です。洗車は嫌いじゃないですが、借りたクルマを手洗いするほどの情熱はなく。いや、手洗いするとクルマの細かいところまで確認できるので、そのクルマのことをよく知りたければ良いものですけどね。

返却

借りた場所と同じ新宿サブナード地下駐車場に返却します。サブナード駐車場は初めてで全く知らなかったのですが、ナビで「自宅に帰る」とすると案内してくれるので、特に問題なくたどり着けました。出発した場所と同じだろうが、と思われるかもしれませんが、出入口が2箇所あって出口と入口が別なのです。

クルマを駐車場の指定枠に停め、窓と幌を全部閉めて、鍵を元のボックスに戻して、最後にスマホアプリで「利用終了」ボタンを押したらクルマにロックがかかり終了です。後で、請求金額のお知らせメールが送られてきます。

料金

今回は、月額無料プランで12時間パック(10,900円)と距離料金(4,820円=走行距離241km)で合計15,720円でした。他のレンタカーと真面目に比較したわけではありませんが、保険内容やガソリン代を含めても妥当なところかと思います。

利用頻度が高いなら、月額課金のベーシックプランが良いかと思います。希望するタイミングで借りられるのか気になったので調べてみたところ、近所で徒歩もしくは自転車で行けそうな場所にあるのが約20台(ステップワゴン、ハリアー、ノート、XVなど)。この記事を書いているのが日曜朝7時ごろで、当日だと空いているのがノート1台のみ、1週間後の土日で空いているのが10台、といった状態でした。さすがに今からどこか行くぞ、みたいなのは厳しそうですが、事前に予定を立てておけば大丈夫そうです。車種を選ぶと選択肢はだいぶ狭くなりますが。

最後に

この手のカーシェアサービスを利用するのは初めてでしたが、24時間いつでも利用開始、返却できるのが非常に優れた仕組みだと思いました。一般的なレンタカーだと、店舗営業時間内じゃないと対応してもらえないので、早朝出発しようと思ったら前日から借りなくてはいけなかったり、出発までの間に無駄な駐車場代が発生したりと、本質的じゃない手間や料金が発生してしまいます。給油に関しても、半分以上を保っておけばとりあえず大丈夫なので、かなりフレキシブルに動けます。乗り捨てができなかったり、予約者以外が返却できないなど、細かな制約はあるようですが、ほとんどのケースで問題になることはなさそうです。

この手のサービスを評価する視点はいろいろあるかと思いますが、クルマを所有するのにかかる固定費を、利用量に応じた従量課金に転換できるというのも一つの見方かと思います。この観点で言えば、正直なところ乗りたいクルマを買っちゃった方がいいかな、という感じではあります。もちろん、追加の移動手段をスポット的に手に入れたい場合は選択肢が広い分秀逸かな、と思いますが。

ステーションやクルマを追加したとの連絡がちょいちょい来るので、随時アップデートをしているのでしょう。今度はV60に乗ってみたいと思います。

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