マツダ・ロードスター試乗記

 先日、カーシェアサービス「カレコ」で借りたマツダ・ロードスター(ND)の試乗記です。家族持ちだとなかなか手に入れるのは難しいですが、一度は乗らねば、ということで選んでみました。



スペック

公式サイトによるとロードスターのスペックは以下のとおりです。
  • グレード:S Special Package
  • エンジン:SKYACTIV-G 1.5 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
  • 排気量:1,496cc
  • 最高出力:132PS
  • 最大トルク:15.5kgf・m
  • 変速機:6速AT
  • 駆動方式:FR
シートはファブリック、クルーズコントロールがついていなかったので、オプション装備は最低限と思われます。

エクステリア

見ての通り、理屈抜きで素晴らしい。

インテリア

一番下のグレードのせいかと思いますが、内装材も特に高級なわけではなく、特別な演出はなし、標準的なマツダ車のそれです(もちろん安っぽいわけではありません)。メーターやハンドル、レバー、エアコン周りのスイッチも一般的なマツダ車と大きな差はなく、普段CX-5に乗っている身としてはほぼ違和感なしです。大きく違うのは、レバー式のパーキングブレーキと、ドリンクホルダーの位置ぐらいでしょうか。
また、Android Autoに対応していたので接続してみました。レトロフィットキットを装着したのか、Android Auto対応後に発売された個体なのかは不明です。走行距離は23,000kmほどだったので、それなりに新しい個体と思われます。


ステアリングは細めで華奢な印象です。シートは横ずれしないよう背面が緩やかにカーブしており背中にピッタリフィットします。幌を閉じると、身長175cmでうっすら髪の毛が天井に触れる状態になりますが許容範囲です。幌の開け閉めは手動ですが、車に乗りながら片手で簡単に行なえます。
ちなみに、この日は36℃を超える猛暑日ということでしたが、幌を開けてもエアコンを付けていると意外と涼しくて特に問題はありませんでした。日焼けだけ注意ですかね。

乗り味

走り出してすぐに気づいたのが、クルマの軽さです。停車状態からスッと加速する感じ。アクセルを踏み込めば高回転まで気持ちよく周り、急勾配もグイグイ登っていきます。むやみにパワーがあるわけではないので、(安全第一で)アクセルを思いっきり踏み込めるのも気持ちよさの要因かな、と。ブレーキはちょっと重めですが効きが強力なあたりからも、クルマの軽さが感じられます。
ステアリングはCX-5に比べると重く感じますが、ハンドルからダイレクトに感じられる路面抵抗に逆らって切る感触はとても気持ちいいです。小さなステアリング角でホイルが大きく切れるため、90度も切ればかなり極端なヘアピンカーブでもハンドルから手を話すことなく回れます(パドルシフトが操作しやすい)。山道ではこの感触がとても気持ちよくて楽しい一方、高速道路では反応が良すぎるきらいがあるので、しっかりとハンドルを制御する必要があります(腕肩が疲れる)。
最小回転半径は4.7mと小さい方だと思いますが、バックの際は思ったより小回りが効きません。ロングノーズなせいでしょうか。
視点は低く、路面に近いのでかなりのスピード感があります。幌を開けたときに当たる風もスピード感を増加させます(とにかく気持ちいい)。サスペンションは硬めで、路面の凹凸が直接感じられます。
まとめると、ストップ&ゴーが楽しく、ハンドルがクイクイ切れて、スピード感があり、すべてが手の中に収まっていて思ったとおりに操作できます。身体に薄いスーツを纏って走っているような感覚といったところでしょうか。

改めてCX-5に乗ってみると、視点は高く、ステアリングアシストは強力で、高速走行も安定しており、サスペンションは柔らかく、静粛性も高い。すべてがトロッとしています。同じような価格帯でも味付けの差でこうも違うクルマができるのか、といういい例かと思います。

燃費

新宿から寄り道をしつつ奥多摩湖まで、全行程241kmのうち約半分が高速道路、残りはヘアピンコーナー含む山道と市街地を走って13.8km/l。公称値であるWLTCモード燃費17.2km/lと比べるとだいぶ落ちますが、2時間ほど大渋滞に巻き込まれたあと、スポーツモードを多用していたのでこんなもんでしょうか。

残念な点

残念な点は特に無いのですが、幌車なので屋根がないと保管がしんどそうなのと、購入するのに家族の同意を得にくい、ぐらいでしょうか。前者についてはRFで解決すれば良さそうです。問題は後者。「クルマは荷物が積めて動けばいい」ぐらいにしか思っていない人にこのクルマを欲しいと思わせる何か(ロードスターに気軽に試乗できるなどロイヤリティを上げるイベント開催とか?)が欲しいところです。

さいごに

乗ってて純粋に楽しかったです。同乗者もニコニコで楽しかったとのこと。本当は一人でドライブに行くつもりでしたが、誘った甲斐がありました。2シーターという時点で制約の多いクルマではありますが、それを補って余りある魅力がある上に、現実的な価格と、やっぱりマツダすごいと思わせる一台だと思います。

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