マツダ 心を燃やす逆転の経営

先日、「マツダ 心を燃やす逆転の経営」という書籍を読んだのでメモします。


内容は、1990年代〜2012年あたりにマツダが経験した地獄からの復活の立役者となった金井誠太氏への2年半に渡るインタビューを書籍化したもの。マツダはバブル時代のイケイケドンドンなやり方が破綻した後、フォードに経営権を握られるという、非常に苦しい状況に追い込まれました。そんな状況下でも、自分たちの頭で考え、手を動かし、仕事のやり方を大転換し、開発手法を見直し、世界一のエンジン技術を開発して商品性を大幅に上げることに成功。商品の価格を抑えつつクルマ自体の性能を上げることで、クラス世界一という目標にチャレンジし、マツダは目下その達成に向けて着実に歩みを進めています。そんな激動の時代における中心人物が語る内容は生々しくもあり、その姿は非常に魅力的です。

主査時代はいちサラリーマンとして、ボヤきつつも世界のベンチマークという高い理想を掲げて初代アテンザを開発。10年後のマツダという企業のあり方を見据える意識の高い姿と、企画や開発、生産などのさまざまな部署と泥臭い調整を粘り強く進める姿が印象的です。

その後、経営サイドに移ってからは「モノ造り革新」と呼ばれる業務プロセスの見直しを推し進め、その賜物として産み出されたスカイアクティブテクノロジーや魂動デザインがマツダのブランド価値を高め、結果として経営状況を劇的に改善させました。

スカイアクティブテクノロジーの推進は、当時は一見突飛な発想に見えたけれども、トレンドに流されず、現状を冷静に分析した結果だったという話は今となっては有名な話で、この書籍で特に楽しい場面です。個人的に特に印象的だったのは、経営に携わる者のあるべき姿を語った以下の2点です。

  • 戦う土俵決めるのが経営の仕事
  • 全社の大きな方向性を考え抜いて決めてから突き進む

マツダが目指す「打倒ドイツ車」の夢が果たされることを、いちユーザーとして見守っております。

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